答えは子どもたちが持っている
それを引き出し表現できる園でありたい
2021年4月、「ひのさと48」に元気な子どもたちの声が聞こえるようになった。宗像市陵厳寺にある「ひかり幼育園(よういくえん)」の分園(0歳児から2歳児)が開園したのだ。ひかり幼育園を卒園して自分自身が親になった方々からも「自分の子どもをひかり幼育園に入園させたい」という声があがるほど、世代を超えて地域から愛される場所。堤智行さんは、ひかり幼育園の園長を勤め、地域の子どもたちの成長を見守っている。
見守りながらほうっておく
子どもたちは勝手にルールをつくって遊びはじめるんです
ひかり幼育園は、誤解をおそれず言えば、「ほうっておく」ということを大切にしているんです。ご家庭での子育てとかもそうですが、子どもと関わっていると、つい大人が先回りして過剰にいろいろと用意したくなります。でもここでは、自然なものを自然なままに触れる環境を用意して、子どもたちの持っている本来の力が発揮できるようにそっと後押ししてあげるのが大人の役割だと思うんです。子どもたちの世界は、大人から見るととても曖昧で、土を掘ったり、石を集めたり、環境の中で勝手に遊びのルールをつくって遊びはじめます。遊び方が決まってるようなキャラクターのおもちゃなんかは無くたっていい。ここにいる大人は、その子の隣りや少し後ろで見守りながら、子どもの姿に共感したり驚いたりしてあげることが大事な仕事なんです。もちろん、大人も一緒になって遊ぶことも大事な仕事です!(笑)
地域に根付くものだから
地域と仲良くなるほうがいい
保育園は、本来自然に地域のエネルギーが集まる場所だと思うんです。子どもたちのパワーはすごくて、地域のご年配の方々がお散歩しながら、園庭の子どもたちと少し言葉をかわすだけで、なんか不思議と元気を与えてしまう。子どもはその場の中心になっていくから、保育園の活動は、保護者との関係も含めて自然と地域に根付いていくんですよね。そういう意味では、ひかり幼育園では、地域と「仲良くなる」ことを大切にしています。様々な活動をしていると、厳しい意見を頂くこともありますが、それは良いとか悪いとかではなく地域との関係が生まれている状態で、仲良くなるチャンスなんですよね。こちらの主張で押し返して、せっかくの関係が無くなってしまうのはもったいない。だから相手の考えを理解し、こちらの考えも理解してもらって、お互いに楽しくなる方法を考えるようにしてきました。そのうちに仲良くなっていて、子どもたちのためにといろいろなものを頂くこともあります。本当に支えられています。感謝感謝です!
個別の違和感を感じたら
その子の背景を見るようにしています
実は子どもたちへの接し方も同じだと思うんです。日々の生活の中で、その子との「違和感」が生まれたときにどうするかが大切だと思っています。きっとその子が何かに反応して何かを表現しているときなんです。子どもって言葉で伝えようとしても、中々うまく伝えることができません。嫌なことがあったらわざと大人から怒られるようなことをしてしまうこともよくあります。そんな時に、目の前の出来事だけで子どもをただ怒るのでなく、その子の全体の関係というか、その子の背景を見るように心がけています。個別の行動って、かならず何か(そこにいたるまでの)背景があって、何か大事な意味があって起こっていることだと思うんです。その背景を知ると、その子の今が分かってくることがありますよね。ほんの少しかもしれませんが。ほんの少しでも寄り添えたらいいですよね。
ブリュワリーと保育園が
同じ施設にあるって前代未聞ですよね!
ひのさと48で園を始めることは、本当に楽しみなんです。いろいろな人が集まって、何かが起きていく場所って、そこで過ごす子どもたちや保護者にとってとんでもない刺激になると思うんです。保育園とブリュワリーが隣接するって、前代未聞じゃないですか!ひのさと48って、今の時代にはもう見かけない秘密基地みたいな匂いを感じています。個人的には、何でも決まって用意されてるような今の社会が不自然に感じるので、いろんな人と人とが触れ合い自然な関係が生まれそうな場所への期待は大きいと思います。
さとの、ひっさつわざ
子どもに接する際に、つい大人が答えを教えてしまいがちだが、本当の答えは大人ではなく、目の前の子どもがすでに持っているのだと、堤さんはいう。大人の役割を教えることでなく、その答えを引き出すことなのだそうだ。人の数だけ答えがあり、それらが関係し合うことがおもしろい。覚悟をもってみんなと仲良く関係をつくることが堤さんのひっさつわざなのかもしれない。
さとのビール第一弾に堤園長が登場!
日の里団地48号棟がリニューアルした「ひのさと48」には、クラフトビールを醸造するブリュワリーがオープン!宗像産大麦を使用した「さとのビール」第一弾には高崎さんのひっさつわざをイメージしたパッケージも登場します。味でもパッケージでもお楽しみください!
他にもたくさんのひっさつわざが!
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アグリCATSまねき猫:岩佐洋一さん試行錯誤を楽しむ、これが「おいしい」の秘訣です。
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日の里地区コミュニティセンター:永嶋久子さん日の里にはお土産がなかったので、
地域の子供たちとお饅頭をつくったんです -
鐘崎のあまちゃん:本田藍さん海女を守ることが海を守ることだし
海を守ることが海女を守ること -
カフェロココ:高崎信代さんテンちゃんがきっかけになって、
宗像のいいところを知ってくれたら -
グランジュール:吉武麻子さんアレルギーがあってもなくても
おいしいって言えるものを届けたい -
サニックス:渡邊敏行さんグラウンドでは倒すべき相手でも
そこを出れば友達になれてしまうんです -
ひかり幼育園:堤智行園長答えは子どもたちが持っている
それを引き出し表現できる園でありたい -
日の里学園:北岡先生・堤先生学校と地域がいっしょに
成長していける関係づくり -
宮崎親子:宮崎陽子さん・泰地さん日の里から受け取ったものを、日の里にかえしていく
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宗像市役所:内田忠治さん・濱村隆さん知ってます?宗像って
東京の通勤圏内なんです! -
大分大学:柴田建先生目的をつくらず、そこにいる。
まちづくりにはそんな役割が必要なんです。 -
社会福祉法人さつき会普通ってなんだろう?
あたり前を広げてみんなが生きやすい社会を
ひのさと48へのアクセス
現地へのアクセスは、JR東郷駅日の里口から徒歩約15分です。駅からタクシーをご利用の場合は「48号棟まで」とお伝えいただくか、下記住所をお知らせください。
〒811-3425 福岡県宗像市日の里5丁目3−98日の里団地48号棟(Google Mapで見る)
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