日の里にはお土産がなかったので、
地域の子供たちとお饅頭をつくったんです
日の里の定番お土産「日の里まんじゅう」を知ってますか?永嶋久子さんは、日の里地区コミュニティセンターで地域の方のさまざまな活動を支える仕事をしている。実はこの方、日の里の定番お土産「日の里まんじゅう」を地域の中学生といっしょに企画し世に送り出した人でもあるのだ。
日の里にはお土産がない。
だったらつくろうと思って。
以前、日の里の街づくり委員会で地域の子供たちと意見交換をしながら、日の里に足りないものをリストアップしたことがあるんです。そのときに子供たちから「日の里にはお土産がない!なんかかわいいお饅頭とかがあればいいのに!」という意見が上がって、それだったら地域の定番になるようなお饅頭をつくれるよう、人に会うたびに「お饅頭がつくりたいのよ」と声をかけ続けていたんです。そうしたら中学校からコミュニティセンターに地域連携で何かできないかという相談があったので、「だったらお饅頭をつくりましょう!」とすぐに返事をしました。何気ない子供の一言からはじまったアイデアが企画として実現することになったんです。
製造販売するためのハードル
お饅頭はレシピを見ればつくることはできるんですが、お土産として販売するには保健所からの営業許可が必要なんですね。お土産をつくるために、コミュニティセンターがこの許可を取得するのは目的が変わってしまうので、地域の和菓子店である「鼓屋(つづみや)」さんに協力をお願いをしたら「いいですよ」って気持ちよく受けてくださったんです。それから鼓屋さんにご指導いただきながらながら、「饅頭の皮はどうしよう」とか「味や見た目はどんな感じにしよう」など、子供たちのたくさんの試行錯誤がはじまったんです。
最初はおいしくなかったのよ。
でも試行錯誤するうちに素直に
おいしいって思えるものになったんです。
鼓屋さんというプロの協力はありますが、プロが全部つくってしまっては子供たちが関わる意味がありません。関わる大人たちは、よほどのことがない限り口を出さず、「見守る」ことに徹しました。完成までに何度か子供たちがつくったお饅頭を試食しましたが、最初はあまりおいしくなかったんです(笑)。日の里ファームで採れた「小松菜味」と、宗像大豆をつかった「きなこ味」、子供たちが大好きな「チョコレート味」の3種類の味を提案したのですが、試作してみると小松菜は苦いし、きなこはパサパサするし、チョコレートは甘すぎたしで、定番のお土産には程遠いところからのスタートでした。チョコレート味については、甘すぎ問題が解決できずに、結局不採用になったのですが、小松菜は茹でて生地に練り込んで使うことで風味は残しつつも苦さを解決できたし、きなこは一度蒸すことでパサパサ感をおさえられるようになり、誰もが素直においしいって思えるものになってきました。たくさんの試行錯誤を繰り返し全部で6回くらいの試食を通じて、今の形になったんです。
私は自信のない子供だったので、
子供たちには自信をもってもらいたいんです。
苦労の末の完成に子供たちもとても喜んでくれました。お饅頭には、日の里のキャラクターである「ひのたん」と日の里のシンボルマークの焼印を押しています。発売後には、「宗像自慢の逸品グランプリ」の「おみやげ部門」で、グランプリを受賞することもできたんです。日の里まんじゅうは、東郷駅日の里口にあるNPO法人のコミュニティ施設「ココカラひのさと」と赤間駅にある「赤間館」でも販売しています。いろいろな人に買っていただき、ようやく日の里にお土産ができたので、みなさんもぜひ手にとってみてください。おいしいですよ。私は小さい頃自分に自信がなかったので、日の里の子供たちには自信をもってもらいたいと思っています。日の里まんじゅうは、参加してくれた子供たちみんなが「このお饅頭は私がつくったの!」って、自信をもって言えるものになったんじゃないですかね。
さとの、ひっさつわざ
日の里まんじゅうの売上の一部は、子供たちが集まる場を提供する「ココカラひのさと」の運営や、地域の中学校の備品購入にあてられている。永嶋さんと一緒にいると、ずっと口から言葉があふれ出続けている。思ったことを言い続けると、誰かが形にしてくれるというのだ。そんな永嶋さんの言葉と、それを受け止めた学校やみなさんの協力があったからこそ「日の里まんじゅう」が生まれたんだなと思った。
さとのビール第一弾に永嶋さんが登場!
日の里団地48号棟がリニューアルした「ひのさと48」には、クラフトビールを醸造するブリュワリーがオープン!宗像産大麦を使用した「さとのビール」第一弾には永嶋さんのひっさつわざをイメージしたパッケージも登場します。味でもパッケージでもお楽しみください!
他にもたくさんのひっさつわざが!
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アグリCATSまねき猫:岩佐洋一さん試行錯誤を楽しむ、これが「おいしい」の秘訣です。
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日の里地区コミュニティセンター:永嶋久子さん日の里にはお土産がなかったので、
地域の子供たちとお饅頭をつくったんです -
鐘崎のあまちゃん:本田藍さん海女を守ることが海を守ることだし
海を守ることが海女を守ること -
カフェロココ:高崎信代さんテンちゃんがきっかけになって、
宗像のいいところを知ってくれたら -
グランジュール:吉武麻子さんアレルギーがあってもなくても
おいしいって言えるものを届けたい -
サニックス:渡邊敏行さんグラウンドでは倒すべき相手でも
そこを出れば友達になれてしまうんです -
ひかり幼育園:堤智行園長答えは子どもたちが持っている
それを引き出し表現できる園でありたい -
日の里学園:北岡先生・堤先生学校と地域がいっしょに
成長していける関係づくり -
宮崎親子:宮崎陽子さん・泰地さん日の里から受け取ったものを、日の里にかえしていく
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宗像市役所:内田忠治さん・濱村隆さん知ってます?宗像って
東京の通勤圏内なんです! -
大分大学:柴田建先生目的をつくらず、そこにいる。
まちづくりにはそんな役割が必要なんです。 -
社会福祉法人さつき会普通ってなんだろう?
あたり前を広げてみんなが生きやすい社会を
ひのさと48へのアクセス
現地へのアクセスは、JR東郷駅日の里口から徒歩約15分です。駅からタクシーをご利用の場合は「48号棟まで」とお伝えいただくか、下記住所をお知らせください。
〒811-3425 福岡県宗像市日の里5丁目3−98日の里団地48号棟(Google Mapで見る)
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