“ここから”目的地まで、地域の想いをつなぐ
JR東郷駅日の里口を出てすぐのバスロータリーに面したところにまちづくりの拠点施設としてつくられた「CoCokaraひのさと(ココカラひのさと)」というコミュニティスペースがある。ガラス張りの路面からは、自習をする学生や集会をする地域の方など大人も子供も関係なく集まっている様子が見える。木村秀子さんと中川眞一さんは、みんなが集まれるこの場所の管理運営をしている。
地域の想いを形にする場所
ココカラひのさとは、誰もが利用したいときに利用できる場を提供する施設です。駅前の空き店舗をリニューアルし、2016年に地域に住む人たちの想いを形にできる場所としてオープンしました。今はコロナの影響もあって19時で閉めるようにしていますが、本来は10時から21時まで開けていてみんなが自由に出入りできます。地域の方のちょっとした打ち合わせや、教室や展示会の開催などに使ってもらっていますが、子供たちの放課後学習スペースとしても開放していて、定期テスト前の自習や、なんとなく立ち寄っておしゃべりをする場所として、年間でのべ5000人くらいの子供たちが利用してくれているんです。学年ごとの区切りとかもないので、異年齢の子供たちがここで顔見知りになって、上級生が下級生に勉強を教えたり、学校とは異なる交流の場にもなっているんです。(中川さん)
本当に必要としている人たちに届けるための
積極的なコミュニケーション
ただ場があるだけだと、みなさんどんなふうに使っていいかわからない人も多いんです。駅前でオープンなつくりなので、覗き込んでくださる方は多いのですが、いきなり中まで入ってきてる人は少なくて。だから日の里コミュニティセンターと協力しあって地域の「見守り散歩」なんかもおこなっています。ココカラひのさとのスタッフも、UR団地内の公園に出向って、昔の遊びを教えたりして、子供たちと触れ合っています。地域支援施設ってさまざまなところにあって、それぞれでおもしろい活動がおこなわれているのですが、本当に必要な人にきちんと認知されずサービスが届きづらいという課題もあるんです。それだったらこちらから地域に出向いて積極的にコミュニケーションをとればいいと思って。最近ではこの活動も認知され子供たちが公園で待ってくれているんですよ。(木村さん)
人の想いで街は変わるんです
思っています。日の里の駅前も、今は整備されてきれいになりましたが、わずか7年前までは悲しい風景だったんです。当時私は、まちづくり特別委員会に所属していたのですが、日の里を改めて見直した時に、自分の街が斜陽化しているということに気づいたんです。ただ、活動を通して想いのある人に出会うことで日の里はどんどん変化していきました。特に5月4日にオープンする48号棟をリニューアルした生活利便施設のアイデアは、2018年日の里東小学校体育館で開催した住民ワークショップで生まれました。「閉鎖棟10棟のうち1棟だけは残して様々な住民の想いを詰め込んだコミュニティスペースに!」という日の里の強い気持ちが実現したものです。受け止めてくださった市や企業の皆さまには感動と深い感謝の想いでいっぱいです。(木村さん)
場の提供だけでなく、
地域のサービス基地として
正直にいうと僕はこの場所に関わるまで、地域のことになんてそんなに興味はありませんでした。自分が関わらなくても、勝手にまわっていくもんだと。ただ定年退職してここに来るようになって、気がつくと学校帰りの子供たちに手をふって挨拶をするようになったり、自分から関わることで小さいけれど地域にも変化があるんだということに気づいたんですよね。2020年6月からは、NPO法人として運営していくことになったので、場の提供だけでなくこれまで以上に地域の中にサイクルをつくっていこうと思っています。街の想いを形にする場所として、困ったらまず来てもらえる場所にしたいし、電動車椅子セニアカーとの取り組みなど、シニアモビリティのサービス基地になっていくようなことも企画していこうかなと思っています。日の里で暮らす人たちの想いを集約し、地域の中で素敵な人生をおくるための場所として、私たちの想いが広がっていくといいですね。(中川さん)
さとの、ひっさつわざ
ココカラひのさとの「ここから」という名称は、この施設をオープンする時に公募名称を応募して、地域の小学校に通う女の子が、駅前の出発地点として、地域に広がっていくことことをイメージして、つけてくれた名前だそうだ。どこに向かうかは人それぞれだが、そんな多様な想いを目的地に導くためのコミュニケーションこそが、木村さんや中川さんのひっさつわざなのだろう。
さとのビール第一弾に木村さんと中川さんが登場!
日の里団地48号棟がリニューアルした「ひのさと48」には、クラフトビールを醸造するブリュワリーがオープン!宗像産大麦を使用した「さとのビール」第一弾には木村さんと中川さんのひっさつわざをイメージしたパッケージも登場します。味でもパッケージでもお楽しみください!
他にもたくさんのひっさつわざが!
-
アグリCATSまねき猫:岩佐洋一さん試行錯誤を楽しむ、これが「おいしい」の秘訣です。
-
日の里地区コミュニティセンター:永嶋久子さん日の里にはお土産がなかったので、
地域の子供たちとお饅頭をつくったんです -
鐘崎のあまちゃん:本田藍さん海女を守ることが海を守ることだし
海を守ることが海女を守ること -
カフェロココ:高崎信代さんテンちゃんがきっかけになって、
宗像のいいところを知ってくれたら -
グランジュール:吉武麻子さんアレルギーがあってもなくても
おいしいって言えるものを届けたい -
サニックス:渡邊敏行さんグラウンドでは倒すべき相手でも
そこを出れば友達になれてしまうんです -
ひかり幼育園:堤智行園長答えは子どもたちが持っている
それを引き出し表現できる園でありたい -
日の里学園:北岡先生・堤先生学校と地域がいっしょに
成長していける関係づくり -
宮崎親子:宮崎陽子さん・泰地さん日の里から受け取ったものを、日の里にかえしていく
-
宗像市役所:内田忠治さん・濱村隆さん知ってます?宗像って
東京の通勤圏内なんです! -
大分大学:柴田建先生目的をつくらず、そこにいる。
まちづくりにはそんな役割が必要なんです。 -
社会福祉法人さつき会普通ってなんだろう?
あたり前を広げてみんなが生きやすい社会を
ひのさと48へのアクセス
現地へのアクセスは、JR東郷駅日の里口から徒歩約15分です。駅からタクシーをご利用の場合は「48号棟まで」とお伝えいただくか、下記住所をお知らせください。
〒811-3425 福岡県宗像市日の里5丁目3−98日の里団地48号棟(Google Mapで見る)
プロジェクトへのご意見やご質問
遊びにきてみたい!活動に参加してみたい!宗像市や日の里に住んでみたい!さとづくり48へのご意見やご質問はこちらからお問い合わせください。お問い合わせの内容によっては、回答にお時間をいただく場合もございます。