アレルギーがあってもなくても
おいしいって言えるものを届けたい
吉武麻子さんは、宗像市でアレルギーを持っている子供でも安心して食べられるような、卵や乳、小麦を使わない焼きドーナツをつくって提供をおこなったり、それぞれにできることと社会とをつなげる小規模自営業支援などをおこなっている。新しく生まれ変わる日の里団地48号棟でも、コミュニティカフェの運営者として関わる吉武さんに、大切にしていることを伺った。
きっかけは、たくさんの人に
自然食を楽しんでもらいたいという意識
もともとは夫の実家の一部を工房にして、卵や乳、小麦を使わないアレルギー対応したクッキーなどの焼き菓子をつくって、自然食の販売店に卸していたことが始まりなんです。今でこそ心身ともに健康な生活を!とか言われるようになって、みなさん自然食やグルテンフリーな食事をされる方も増えてきましたが、当時はまだ身体のことを気遣うというと、どちらかというと年配の方が食べるものとして認識されていたのですが、卸先の自然食販売店の方から、自然食をもっとたくさんの人に楽しんでもらいたいというお話を伺っていたのと、私個人としても、子育て中の方や、若い世代の方に、もっと楽しんで食べてもらいたいという気持ちがあったので、それだったらカフェやイベントやってみようと始まったのが、今の形の原型なんです。
食に関することが大好きで
いろいろなお店をチェックしていたら
歩くタウンページというあだ名がついていました
私は食べ物に関することが大好きなんです。食べることも、つくることも、外食をすることも全部好きで、学生のころは新しくできるお店とかもチェックしたりして、いろいろなお店を食べ歩いていました。人の顔や名前は何度会っても覚えられないのに、食べ物に関しては、どのタイミングで誰と何を食べてどんな気分になったかまで鮮明に覚えることが出来るので、当時は歩くタウンページなんて呼ばれたことだってあるんです(笑)。ちょうどオーガニックという言葉が流行り始めたころで、身体にも環境にもやさしいっていう考え方や、実践している人たちへのあこがれから、自然食にも興味をもち、今思い返すと行き過ぎているくらい健康を意識した食生活を送っていた時期もありました。
出産をきっかけにアレルギー食に
向き合うことになった
アレルギー食に興味をもったのは、自身の出産がきっかけです。私には2人の子供がいるのですが、どちらもひどいアレルギーを持って生まれてきました。母乳とアレルギーは関係ないらしのですが、私が口にするものによって、子供の身体が反応してしまうこともあったので、私自身が食べるものも、子供が口にするものもいろいろ考えて試行錯誤し続ける毎日でした。私が楽観的なので、物事をありのままにいったん受け入れて考えるんです。それに料理をつくることは好きだったので、工夫をすることはそんなに苦痛ではなかったのですが、食というものに今までと違う角度で向き合うことになったので、子育てでは、いろいろな気づきを得たように思えます。
自然食だけに頼るのではなく、
毎日食べても安全なバランスのよい基準を意識する
食べることって、身体をつくることなので、何を食べるかは本当に大切なのですが、一方で自然食やオーガニック食って、贅沢品でもあるんですよね。もちろん良いものであることにかわりはないんですが、今の社会で、みんなが毎日きちんと食べていくためには、一面だけを見て慣行農法や添加物を否定するのも無責任だし、解決にはならないとも思っています。災害など何かが起きたらすぐ食べるものなんて、あっという間になくなってしまいますからね。だから今は、ここまでは許せるっていうラインを意識してバランスを大切にするようにしているんです。みんなに届けられるラインと、身体への影響がおこるラインと。こだわりつつも、安定して供給できるとか多面的に食べることを考えるようにしていて、それが私が関わる価値になっていけばと。生まれ変わる日の里団地の48号棟でもカフェを営業していくのですが、本当の意味で、みんながおいしく食事ができるような場所になっていけばと思っています。
さとの、ひっさつわざ
吉武さんは、こだわりと柔軟さをバランスよくもつ人だ。実はこれ簡単なようでなかなか真似できないことだ。ここからは許さないという芯をもちつつ、飾り気なくあっけらかんと自分をさらけ出して、コミュニケーションをする。吉武さんには、そんな覚悟と正直さがある。
さとのビール第一弾に吉武さんが登場!
日の里団地48号棟がリニューアルした「ひのさと48」には、クラフトビールを醸造するブリュワリーがオープン!宗像産大麦を使用した「さとのビール」第一弾には吉武さんのひっさつわざをイメージしたパッケージも登場します。味でもパッケージでもお楽しみください!
他にもたくさんのひっさつわざが!
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アグリCATSまねき猫:岩佐洋一さん試行錯誤を楽しむ、これが「おいしい」の秘訣です。
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日の里地区コミュニティセンター:永嶋久子さん日の里にはお土産がなかったので、
地域の子供たちとお饅頭をつくったんです -
鐘崎のあまちゃん:本田藍さん海女を守ることが海を守ることだし
海を守ることが海女を守ること -
カフェロココ:高崎信代さんテンちゃんがきっかけになって、
宗像のいいところを知ってくれたら -
グランジュール:吉武麻子さんアレルギーがあってもなくても
おいしいって言えるものを届けたい -
サニックス:渡邊敏行さんグラウンドでは倒すべき相手でも
そこを出れば友達になれてしまうんです -
ひかり幼育園:堤智行園長答えは子どもたちが持っている
それを引き出し表現できる園でありたい -
日の里学園:北岡先生・堤先生学校と地域がいっしょに
成長していける関係づくり -
宮崎親子:宮崎陽子さん・泰地さん日の里から受け取ったものを、日の里にかえしていく
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宗像市役所:内田忠治さん・濱村隆さん知ってます?宗像って
東京の通勤圏内なんです! -
大分大学:柴田建先生目的をつくらず、そこにいる。
まちづくりにはそんな役割が必要なんです。 -
社会福祉法人さつき会普通ってなんだろう?
あたり前を広げてみんなが生きやすい社会を
ひのさと48へのアクセス
現地へのアクセスは、JR東郷駅日の里口から徒歩約15分です。駅からタクシーをご利用の場合は「48号棟まで」とお伝えいただくか、下記住所をお知らせください。
〒811-3425 福岡県宗像市日の里5丁目3−98日の里団地48号棟(Google Mapで見る)
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